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絶対音感は進化する?!

最近、絶対音感コーチ学会メソッド開発者で、『子どもがどんどん賢くなる絶対音感の育て方』著者の鬼頭敬子先生とお話させていただくことが増えまして、絶対音感について考える機会が多くなりました。

その中で、鬼頭先生と『絶対音感は進化する』という共通認識がありましたので、
進化することについて書いてみたいと思います。

まず、
ピアノで『ドレミ(音)がわかる』
というのは、
初期段階だと思っています。

その後
『ピアノ以外の楽器の音でもドレミ(音)がわかる』

『日常音でもドレミで聞こえる』

そのうちに
『複数の音が鳴っていても、特定の楽器のドレミ(音)がわかるようになる』

というように、『ドレミ(音)がわかる』という事に変わりはないのですが、同じ『ドレミ』でも音色が違う音を聴き分けたり、複数音の中から音をピンポイントで探せるようになったり、と精度が高まるのが、進化するという事なのです。

同じドレミなのに、違うドレミというのも不思議な話ですね。
でも日常的に私たちは色々な音に囲まれて生活しています。

例えば、ピアノは手作り楽器ですので、個体毎に音色が違います。ピッチが同じだったとしても。

私が中学1年生の時、グランドピアノを買ってもらった時の事です。
ズラーっと、沢山のグランドピアノが置かれている所に両親に連れて行かれ、
どれが良い?と聞かれました。
私は一台一台片っ端から弾いてみたのですが、個体毎に響きが違うのです。
なんとも言えない微妙な、でもれっきとした響きの違い。
強いて言葉で表現するとすれば
硬い音、柔らかい音、こもる音
響きのある音、明るい音、艶のある音、等々。

私はその中で、自分好みの音色がするピアノを一台見つけ、それを買ってもらいました。
(両親には感謝の気持ちでいっぱいです)

同じピアノでも、こんなにも音色が違うと驚いた事もあり、当時の事はよく覚えています。

微妙な違いがわかるというのは、絶対音感が進化している証拠だと思うのです。


またコードについて。
音が沢山集まるとコード(和音)となり、より豊かな音楽になります。
コード進行は人に例えるとすれば、心みたいなもので、感情の集合体のようなものだと私は考えています。
どう進むかで感情のゆさぶられ方が変わる‥
嬉しい、悲しい、楽しい、
さみしい、明るい、落ち着く等々。


余談ですが、最近、私は『髭男』を推しています!
J-POPの4人組バンド、Official髭男dism。
以前から生徒さんや子ども達から、良いよ!と噂は聞いてはいたものの、じっくり音楽を聴く機会がなく名前だけ知っていました。
そんな時に、コロナ禍でふと耳にする機会があり、音楽と歌詞がすっと入ってくる瞬間がありまして、それ以来、すっかり虜になっています。

主に作曲を担当されているピアノ、ボーカルの藤原聡さん。
なかなかのセンスの持ち主だと思います。
一曲一曲、言葉とコード進行が合っているのです。
元ドラマーで、プロドラマーを目指すほどの腕前との事、心地良いリズムに素敵なメロディーと粋なハーモニー、彼の作り出す音楽はまさに音楽の三要素が綺麗にはまっている感じです。

少なくとも、私には言葉と音楽がしっくりはまっていると感じられます。言葉にふさわしいコード展開、いえ、コードにふさわしい言葉選びなのか、とにかくすとんと落ちる何かを感じる、最近注目しているグループです。

彼も絶対音感を持っていると公言されていました。      
なるほど!納得です。
彼の音楽のルーツを探ってみると、実に様々なジャンルの音楽を聴いてこられたことがわかりました。
きっと絶対音感で、色々な音楽の形をインプットされているのでしょうね。
更に、彼の絶対音感レベルは高いのではないかと思うのです。
絶対音感のレベルが高くなると、音を聴くと指先が勝手に反応して動くようになるからです。(ピアノ弾きの場合)

そして、移調が楽に出来るようになります。音が頭の中に鳴っているからです。

カラオケのイメージで‥
キーが決まったら、自分の中でそのキーにして音を思い浮かべる、あとはその浮かんだ音に指を合わせていくだけで、楽に移調が出来ます。


誰でも絶対音感を持ったからと言って、始めから全ての音が聞き取れるわけではありません。
私も始めは単音から、小学生の頃には和音が
聴きわけられるようになり、中高生の頃は更に重なった複雑な音程、そして最近はジャズに使われるような、テンションコードの音までわかるようになりました。
現在進行形で、聴き取れる音が増え続けています。

少しずつ興味のある音を脳にインプットし、その記憶を積み重ねていくイメージでしょうか。
絶対音感が進化している感覚が今なおあります。

というわけで、鬼頭流・絶対音感トレーニングではその基礎となる脳を作ります。
残念ながら、脳科学の観点から、絶対音感脳を作れるのは幼少期のみ、という年齢制限はありますが、基礎が出来上がればしめたもの、もっと音に対する興味が沸くようになりますので、さらに色々な音を知りたい→弾きたいという感情が生まれ、プラスのループに入ります。


絶対音感持っています!と言う人は意外と多いのですが、私が思うに、レベルは人それぞれのような気がしています。

一般的には、調性にとらわれず、次々と音が瞬時にわかれば絶対音感があると言われますが、単音のみ聴ける人が圧倒的に多いです。
コードの音まで全ての音が聴き取れる人は少ないのではないでしょうか。

音楽を聴いている時に、一番上のメロディとなる音は比較的聴き取りやすいのですが、コードもわかると楽しいですよ!
コードが聴き取れると音楽の渦にどっぷり浸れるので、より深く楽しめます。

その点でも、鬼頭流・絶対音感トレーニングは初期の段階からコードもトレーニングしていきますので、コードに込められた響きのニュアンスも同時に体得出来ますので、とても理にかなった方法だと実感しています。

何より、『褒めて伸ばす』をモットーに、親子関係を深めながら、トレーニング出来る画期的なメソッドだと思っています。


絶対音感はまだまだ未知の世界で奥が深く、解明されていない部分も多いですが、
絶対音感があれば、ますます音楽が楽しくなると思いますよ☆


絶対音感を身につけられ、お子さんが進化していく様子を一緒に応援しましょう!
私自身、これからも音楽を楽しみたいと思います🎵